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英語力って本当に必要?:②自動翻訳で英語はもういらない?

“これからは、英語が出来て当たり前の時代。子供たちにはかわいそうだけれど、英語が出来ないとグローバル社会で生きていけない。。。”

これは英会話スクールの脅し文句なのか、真実なのか。先見の明がないと分からないですね。

今日は、英語力って本当に必要?シリーズ第2弾。「自動翻訳技術について」書いていきます。

みなさん、google翻訳は使っていますか?かなり性能が良くなってきていますが、まだどこか不自然さが残っていて、「google翻訳使ったな」と相手に気づかれてしまう精度ですね。伝えたいことが的確に相手に伝わればそれでいいのですから、気付かれても気にすることはないのですが。。

さて、この自動翻訳があれば、他言語を勉強する必要は無くなるでしょうか?正直、私自身この問いに答えが出せません。出せないなりに、今考えていることをつらつらと書いていきたいと思います。

10年前の自動翻訳の性能

私は会社員時代、イギリス企業と共同で、とある製品の研究開発に携わっていました。そこで出会ったイギリス人の同僚が、google翻訳について面白いことを言っていました。

同僚「今まで仕事で色々な言語のメールが送られてきたけど、いつもgoogle翻訳で英語にしてから読んでいるの。ヨーロッパの言語だと問題なく理解できるんだけど、日本語だけは翻訳しても本当に意味不明なのよ。Mindy、このメール訳してくれない?」

やはり、英語と日本語はかけ離れた言語であるため、自動翻訳は難しかったのかも知れませんね。また、日本語は省略や曖昧な表現が多いので、行間を読む作業も難しいと思います。

そもそも日本語がgoogle的に優先順位の低い言語だったのかも知れませんが。。

自動翻訳は仕事にも使える

とはいえ、自動翻訳の性能は向上し続け、仕事に使っている方々もいます。

先日見たテレビ番組では、日本の畳屋さんが海外の映画に畳を納品して、相手方とのやり取りの際はgoogle翻訳を使っていたと言っていました。海外とビジネスできるレベルまで、google翻訳は性能がアップしたんだなぁ、凄いなぁと思ったものです。

google翻訳だけでなく、ぽけとーくという自動翻訳をしてくれる機械もありますね。数年前に勤めていた会社では、フランス出張の際に上司がそれを使っていました。商談は英語ですが、フランス国内を移動する際はフランス語が分からないと厳しい場面もあるかも知れませんよね。数千円でレンタル出来るし、実際きちんと機能してなかなか便利だったようです。

自動翻訳があれば英語はできなくてもいい?

自動翻訳の性能は格段に向上しましたし、これから更に良くなっていくでしょう。それも短期間のうちに。AIが将棋をしたり、素晴らしいアートを生み出したり、短歌を詠む時代ですから。

そうなると、もはや大抵の場面では自動翻訳に頼れば良く、英語の勉強なんて必要無くなってしまうのでしょうか。

実際すでに、中途半端な英語力のある人間よりは、自動翻訳の方がはるかに優れているかもしれませんね。

中高生のみなさんには、勉強のモチベーションを著しく下げてしまう話ですね。しかし、そんな未来が結構リアルに想像できてしまうのは私だけでしょうか。。。

英語の家庭教師なんて、そのうち必要無くなってしまうかも知れませんね。

英語を学ぶ意義は語学だけにあらず

それでも、日本国内でそれなりに努力して英語力を伸ばしてきた私としては、英語を学ぶことの意義を訴えたいと思います。

英語を学ぶ意義とは、言語だけでなく英語圏の文化や考え方をも学ぶことだと私は考えています。つまり、「多文化理解」の入り口が外国語学なのではないでしょうか。

英語が出来れば、英語圏の人々と直接コミュニケーションを取ることができますし、その国で実際過ごしてみることもできるかもしれません。

「百聞は一見に如かず」です。実際に海外で様々な体験をし、肌で多くを感じることが、「井の中の蛙」にならないために、必要なのではないでしょうか。

そして、英語特有の言い回しや文法構造から、英語圏の人々の考え方や文化なども学べます。(具体例は別記事で後日。。)

このように、英語学習を通して様々な価値観や文化を知ることができます。そして、それらを知ったうえで自分なりの考えを持てたら、素敵だと思いませんか。

もちろん、英語が全てでなはい

今のところ、アメリカなど英語圏の国々が世界に大きな影響力を持っているため、英語圏の人々の考え方を知ることには意味があるでしょう。ですが、もちろん英語圏だけが世界ではありません。

それ以外の地域について知りたければ、その国の言語を学ぶと良いでしょう。より理解が深まり、愛着がわき、面白いのではないでしょうか。

「言語から読み取る文化・価値観の違い」については、ここで書くと長くなるので別記事にまとめたいと思います。

おわりに

ラテン語はいわゆる死語と呼ばれており、今では使う人はほとんどいません。学術用語に使われていたり、バチカン市国公用語にはなっており、完全に消滅している訳ではありませんが。映画Two Popes(二人のローマ教皇)で、ラテン語が話されているシーンがありました。

私のイギリス人の同僚(理系)は、大学でラテン語を履修していました。誰も使わない言語を勉強した理由は特になく、ただなんとなく面白いと思って勉強したと言っていました。

さすがに、私が生きている間に英語がラテン語のように死語になることはまず無いでしょう。そして、仮に日本人が英語を勉強する必要が無くなったとしても、英語を面白がって勉強してくれる奇特な人は必ずいることでしょう。

英語を通して様々な価値観や文化に触れ視野を広げるためにも、英語を勉強しておいて損はなさそうです。

そうやって、英語が大好きで今までそれなりに頑張ってきた自分をなぐさめて、締めくくりたいと思います。