midoenglishの日記

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議論下手の理由はテスト形式か

こんにちは。Mindyです。

私はオンライン専門の英語家庭教師をしています。

私自身、ほぼ国内で英語力を向上させ、社会人時代はグローバルに働いていました。TOEICは915点です。

さて、今日は家庭教師の独り言と題して、最近気が付いたことについて、長々とつぶやいていきたいと思います。

お暇な方、お付き合いください(笑)

まずそもそも何に気が付いたかというと、日本人が一概に口下手であることの理由が、テスト形式にあるのではないかいうことです。

自分の意見を持って、それを伝える

外国の方の街頭インタビューなど見ていると、皆しっかりと自分の意見を持っていて、それを理論的に即興で説明できますよね。

(もちろん個人差はありますが。。あくまでも、ざっくりとした私の主観で話しています。)

「ハハハハハ、いやぁ、なかなか難しい問題ですよね。でも、そんなもんなんじゃないんですか。時代的にそういう流れというか。。よく分かりませんけど。ははっ。」

のような、感覚的でかつ短い回答をしている映像は、あまり見ませんよね。

もちろん、まともな返事をしている映像を採用しているからなんでしょうけれど。

イギリスで議論に勝てなかった私

私は仕事でイギリスの方とやり取りすることが多かったのですが、そこでいつも悔しかったのは、喋りで絶対に勝てない、ということです。

とにかく、こちらに話すスキを与えてくれない。1つ聞いたら100くらい答えが返ってくる。挙句の果てに気が付いたらトピックが変わっている。

前言っていたことと、今言っていることが違うのに、意見を変えたことには言及せず悪びれもしない。

もちろん、私が議論に勝てなかった主な原因は、相手との英語力に差があることで、間違いないと思います。

しかし、自分の意見をハッキリと伝え、思った方向に話を持っていけなかった理由は、他にもありそうでした。

そもそも議論の仕方が違うというか、押しの強さが違うというか。。。

その当時は何が悪かったのか分からず、悶々としていました。

意見が対立した際に、自分の考えを理路整然と説明し、相手をうまく説得する(ねじ伏せる?)技術は、当時の私には全く無かったのです。

ちなみにイギリスの同僚たちには、とても仲良くしてもらっていました。

議論と口論を分けて考えられるのも、彼らの素敵なところです。

そして、それは私たち日本人には少々苦手なことかも。。

インド人夫もまたよく喋る

ひょんなことからインド人夫と結婚することになった私。

私の夫はインド人的には寡黙な部類だそうですが、まぁよくしゃべる。

映画について、日本の文化や歴史について、政治について、何でもかんでも沢山質問をし、自分でも自分の意見をとうとうと、しゃべり続けます。

そして、気が付いたら私が話すスキなどなく、話を持っていかれてしまう、みたいな感覚になることも良くありました。

今では、かなり強めに相手の話を遮り、自分で話すタイミングを作れるようになりました。

そして、時に相手の理論が破綻するときがあり、それに気づき、指摘することも出来るようになりました。

日本の生徒たち

小中学生に英語を教えていて何となく感じるのは、多くの小中学生は説明が苦手だということ。

私はレッスンの初めにスモールトークをして、日常生活、学校の様子や授業内容・進度など生徒さんの状況把握に努めています。

例えば、15年前に中学生に数学を教えていた際は、生徒さんには何を聞いても、返事は「微妙。」でした。

今の小中学生は大体皆、「普通。」と答えます。

続けて質問して深堀しても、感覚的で曖昧な返事が多く、具体的な説明が上手くできないことがあります。

生活を共にしていないこちらとしては、相手にとって当たり前のことも知りませんから、親御さんに話すよりもしっかりと説明してもらわないと伝わらないのです。

しかし、小学生は発達途中ですし、中学生も思春期ですから、まぁそんなものなのかなと、思っていました。

インドの鬼テスト

インド人夫が、最近ビックリすることを言いました。

「選択式の問題があるなんて、conpetitive test(大学入試共通テストや数学オリンピックなど、いわゆる競争が目的のテスト)を受けるまで知らなかった。」

「学校の定期テストは記述が主で、白い紙を必要なだけ貰って、ひたすら何ページも書き続ける。試験時間は3時間で、1日1科目だけ。」

「空欄をうめる(年号とか人の名前とか)問題は、テスト最後の30分に与えられるもので、全体の20%程度。」

だと。

もちろん州によって、学校によって、システムは違うはずです。

小学校低学年は、長々と文章を書くことも難しいのでは、、とも思います。そして、夫の記憶もかなり曖昧なはず。

しかし、小さいうちから(短くてシンプルでも)、記述式の問題を主に解いていれば、議論には相当強くなりそうですね。

日本のテストも記述問題はもちろんあります。

ですが、やはり穴埋め問題、暗記問題、4択問題が大きな割合を占めています。採点がしやすいということもあるんでしょう。

答えをハッキリと明示し、どうやってその答えを導いたのか理論的に説明する訓練を小さいころからしていたインドの人たち。

沢山喋る内容(しかも理論的に構成)が頭に沸いてくることも、全く不思議ではないです。

インドはそれに加えて人口が多いため相当な競争社会。世界的な大きな会社のCEOにインド人が多いのも、なんだか納得です。

イギリスのテストがどうなのかは知りませんが、日本のような、座学中心、穴埋め・暗記・4択問題が中心のテストばかり解いていたようには思えません。

記述問題をゴリゴリに解いてきた人たちと対等に渡り合うには、こちらも相当なトレーニングが必要です。

あらゆる事柄に対して、(何でもいいから)自分の意見を持つこと、それをハッキリ明示できること、それを理論的に説明でき説得力を持たせること。

そして、(必要であれば)相手が話していても被せて話し始め、相手を黙らせるくらいの押しの強さを身につける。

これができれば、イギリスで議論に勝てたかもしれません。

英語だけ出来れば良いわけではないんですねぇ。

「選択問題は良くない、記述式の試験が良い。」というのは良く聞く話ですが、本当にそれが正しいんだろうなと、しみじみ実感しました。

英検は理解したうえで合格しよう

英検は、英語にあまり興味のない子供たちのモチベーションを高める、とても有用な試験です。

英検に合格していると入試で有利になる場合もあります。合格すれば自信にもつながります。

しかし、英検は5級4級はほぼ4択問題です。

ですから、全く分からなくても25%は取れます。

合格点が60%程度ですから、3割自信をもって答えられれば大体が受かる、ザルのような側面もあります。

そして、語彙を問う問題が多いため、単語を知っていれば合格する確率は高まります。

ただ、せっかく受験するのなら、しっかりとある程度文法も理解したうえで合格してほしいです。

小学校で英検合格したのに、中学に入ってから文法につまづき、英語が嫌いになるなんてこともあり得ます。

とにかく、小学生のうちから4択問題ばかり解くトレーニングをするのは、少し危険かなと、夫の話を聞いて思いました。

終わりに

イギリスから始まり、インドを経由し、英検に着地してしまいました。

とにかく、言いたかったのは、議論の練習は小さいうちからしておいたほうが良かったんだろうなぁ、ということ。

意見の対立を避けがちな日本の国民性もまた、議論下手の原因でしょう。

議論は口論ではなく、相手の意見を個人的に受け取るべきではない。分かっていても、なかなか難しいです。

いずれにせよ、今の子供たちには、もっと記述式の問題を解き、自分の考えを理論的に説明し相手を説得する力を、伸ばしていってもらいたいものです。

教えるほうが、ものすごく大変そうですね。。。