midoenglishの日記

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英語が話せるようにならない要因①:直訳

こんにちは!私はオンラインで英語専門の家庭教師をしています。英会話スクール勤務時代には、大人対象のレッスンも受け持っていました。

その時の経験も踏まえて、今日は(特に)大人の皆さんの英会話力アップに一番必要であろうことに、フォーカスを当てて書いていきます。

「そもそも英語ってどうしたら話せるようになるんだろう」について、私なりの回答を書いたので、ぜひ読んでいって下さいね!

単語を調べすぎていませんか?

基本的に、日常会話の8割は中学英語の範囲内です。(もちろん、話す相手やトピックによりますが。)それなのに、どうして英語はこんなにもハードルが高いのでしょう。

英会話のレッスン中、中学生もそうですが、特に大人に多い質問が、「○○って英語でなんて言うんですか?」。

少し返答に窮します。文脈が分からないと適切な英単語を提示できないこともあるし、難易度の高い英単語を伝えても役に立たない気がするからです。

留学で英語力が上がる本当の理由

留学すると英語が出来るようになる理由の一つは、サバイバルのために英語を使うからではないでしょうか。いちいち単語を調べていられない時、必要に迫られて、自分の知っている単語や表現を駆使して、なんとかその場を乗り切る。その時にこそ、あなたの英語力は磨かれるのです。

言うなれば、冷蔵庫に残ったありあわせの食材を使って、なんとかそれらしい食事を作り上げる作業に似ています。

日本で英語の勉強をしている限り、留学生のようプレッシャーを感じることはなかなか無いのではないでしょうか。英語の先生が怖ければ別ですが。。笑 

つまり、英語が話せるようになるには、必要なのは語彙力や難易度の高い英文法を正確に使える力ではないんです。(あるに越したことはないですし、もちろんそれが最終目標です。)

大切なのは、無理に直訳しようとせず、自分の知っている範囲内の単語と文法で表現しようと努力することなのです。

直訳を避けるべき理由①

直訳がなぜダメなのでしょうか。

大抵の場合、直訳しようとすると、難易度の高い語彙や熟語が必要になります。それを辞書で調べてその場をしのぎます。もちろん調べた単語は覚えようとしますが、大抵覚えられない。そして、そのうち完全に忘れる。

相当な根性と情熱(または受験というプレッシャー)が無ければ、語彙を増やすことは特に忙しい大人には簡単ではありません。

ですから、直訳しようと難しい単語を調べても、それを忘れてしまえば、結局英語力は伸びないのです。

直訳を避けるべき理由②

また、日本語の表現をそのまま英語に直しても、そもそも英語としては不自然になる、というケースもあります。

単純すぎる例ですが、退社時によく言う「お疲れ様でした~。お先に失礼しま~す。」は、英語ではなんと言うでしょうか。

さすがに、「お疲れ様」を”You must be tired.”と言うのは直訳すぎますよね。「あなたは疲れているに違いない。」なんて言い捨てて帰られても。。。なんだかドッと疲れてしまいそうです。

google翻訳では、”Thank you for your hard work. Excuse me in advance.”と訳していました。

Thank you for your hard work.は「よくやってくれた」という感じのフレーズなので、上司っぽいセリフですね。

Excuse me in advance.は「事前にすみません。」という意味で、何かを前もって「すみません」と断られている感じがします。そのまま帰ってしまうんですから、なんだか不気味。。

つまり、google翻訳の様に日本語の文をもとに英文にしても、相手に通じない、もしくは誤解を与える表現をしてしまう可能性があるのです。

英語圏では、退社時には " See you tomorrow." と言って帰るのが一般的です。定時を5分でも過ぎれば、"Don't work too hard." (ニタッ)と言われるかも知れませんね。

そもそも、頑張りをねぎらって帰る、ではなく、また明日ね!と声をかけるのが英語圏の文化ということです。言語だけでなく文化を理解するのも、コミュニケーションには大切なことです。

と、このように直訳は罠だらけ。英語をもっと自由に話せるようになるためには、英語に直訳をやめることが大切なのです。

直訳せずに日本語をかみ砕こう!

では、直訳をやめて、どうしたらいいのでしょうか。まずは、自分の言いたいことを見つめ直し、かみ砕いてください。そして、自分の能力を超えない範囲内でどうしたら作文できるか考えてみましょう。

この方法を使うと、説明が多くなり回りくどい話し方になる場合があります。しかし、まずは英語で話すのに慣れることが必要です。そのうち耳も良くなり、作文も瞬間的に出来るようになり、余裕が出て来るでしょう。そのうち難易度の高い英単語、熟語を覚えられるようになるはずです。

ここで簡単な具体例をひとつ。伝えたい内容は「彼女はテニスが上手」。

  She plays tennis well. 

(彼女はテニスを上手にプレーする。)

  She is a good tennis player. 

(彼女は良いテニスプレーヤーだ。)

  She is good at playing tennis. 

(彼女はテニスをプレーするのが上手だ。)

どうでしょう。こんなシンプルなことを表現するのに、3通りも言い方がありました。英語で考えても分からない場合は、上の様に和文を別の和文に言い換えて、英訳できるか考えるのも良いでしょう。

おわりに

こんな感じで、あっこれ英語でなんて言えばいいんだろう。。。そう思った時は、辞書を引く前に、まずは自分の能力の範囲内で作文できるかしばらく考えてみましょう。

そうしたあとに辞書を引くと、あぁ、こんな単語があったのか、英語ではこう表現するのが自然なのかな、と感じ、脳みそに染み入ると思います。

即辞書を引くよりも、理解が深まり印象に残るはずなので、おススメです。ぜひ、試してみてください。